IFS関数 ● 複数の条件を順に判定して結果を分ける

[Excel 2019以降]

Excelの IFS(イフ・エス)関数の使い方を紹介します。

IFS関数はExcel 2019で追加された関数で、『条件Aが成立する場合は「○○」、条件Bが成立する場合は「△△」、条件Cが成立する場合は「□□」……』のような条件分岐を行います。IFS関数は、言わば IF関数の複数形版です。複数のIF関数を入れ子にしなければ実行できない条件分岐を、IFS関数なら1つの関数で行えます。

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書式

複数の条件を順に判定して結果を分ける
=IFS(論理式1, 値1, [論理式2, 値2]…)

論理式]を先頭から順にチェックし、最初に成立した[論理式]に対応する[]を返します。[論理式]と[]はペアで指定します。127組まで指定できます。

引数

引数 説明
論理式 条件を表す論理式を指定する。論理式とは、結果が TRUE(Yes、真、成立)かFALSE(No、偽、不成立)のどちらかになる式。
論理式]が TRUE になる場合に返す値を指定する。

なお、どの[論理式]も成立しない場合の[]を指定したいときは、最後のペアの[論理式]に「TRUE」を指定してください。

=IFS(論理式1, 値1, [論理式2, 値2], … , TRUE, どの論理式も成立しない場合の値)

使用例…得点に応じて表示を4通りに切り替える

セルB2の得点が「80以上」の場合に「A」、「60以上」の場合に「B」、「40点以上」の場合に「C」、それ以外に「F」と表示します。IFS関数の[論理式]と[]のペアを「80点以上、A」「60点以上、B」「40点以上、C」「TRUE、F」の4組指定します。

=IFS(論理式1, 値1, [論理式2, 値2], … , TRUE, どの論理式も成立しない場合の値)

セルC2 | =IFS(B2>=80,"A",B2>=60,"B",B2>=40,"C",TRUE,"F")

図1 セルC2に IFS 関数を入力して、セルC6までコピーする。

メモ

優先順位の高い条件から順に指定する
IFS関数では、先頭から順に[論理式]を判定します。成立した場合は、それ以降の[論理式]の判定は行われません。したがって、[論理式]には優先順位の高い条件から順に指定します。
条件の順序を誤ると、意図した結果が得られません。例えば、引数を「40点以上、C」「60点以上、B」「80点以上、A」の順に並べた場合、最初に「40点以上」の判定が行われます。仮に得点が「100点」だとしても、最初の「40点以上」の判定が成立するため、結果は「C」となってしまうので注意してください。

メモ

IFS関数が使えないバージョンでは
IFS関数は、バージョンが「2019」以降のExcelで使用できる関数です。IFS関数が使えないバージョンでは、IF関数を入れ子にして数式を立てます。今回の例では、以下のように 3つのIF関数を入れ子にします。
=IF(B2>=80,"A",IF(B2>=60,"B",IF(B2>=40,"C","F")))
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