Excelの OR(オア)関数の使い方を紹介します。
書式
少なくとも1つの条件が成立するかどうかを調べる
=OR(論理式1, [論理式2]…)
[論理式]に指定した条件のうち、少なくとも 1つが成立する場合に TRUE(Yes、真、成立)を返します。条件がすべて 不成立の場合のみ、FALSE(No、偽、不成立)が返されます。[論理式]は255個まで指定できます。
■引数
引数 | 説明 |
---|---|
論理式 | 条件を表す論理式を指定する。論理式とは、結果が TRUE(Yes、真、成立)かFALSE(No、偽、不成立)のどちらかになる式。 |
例えば、引数[論理式1]に条件1、[論理式2]に条件2を指定した場合、OR関数は「条件1 または 条件2」という意味の条件を判定します。この条件が成立するのは、つまり OR関数の戻り値が TRUE になるのは、条件1と条件2の少なくとも 1つが TRUE である場合です。
条件1 | 条件2 | → | OR関数の戻り値 |
---|---|---|---|
TRUE | TRUE | → | TRUE |
TRUE | FALSE | → | TRUE |
FALSE | TRUE | → | TRUE |
FALSE | FALSE | → | FALSE |
ベン図で表した場合、2つの円の内側全体(下図の青く塗りつぶされた部分)が TRUEで 、外側(下図の白い部分)は FALSE です。

図1 「条件1 または 条件2」
青い領域が TRUE、白い領域が FALSE
使用例1…1つでも 60点以上の科目があるかどうかを調べる
OR関数を使用して、「化学が60点以上、または、物理が60点以上」という条件が成立するかどうかを調べます。成立する場合は、セルに「TRUE」が表示されます。成立しない場合は「FALSE」が表示されます。
=OR(論理式1, [論理式2]…)
セルD3 | =OR(B3>=60,C3>=60)

図2 セルD3に OR 関数を入力して、セルD7までコピーする。
使用例2…1科目でも 60点以上であれば「合格」と表示する
OR関数は、IF関数と組み合わせて使用することが多い関数です。IF関数の第1引数[論理式]に OR関数を指定して、複数の条件の少なくとも1つが成立することを条件に結果を切り替えます。
図3では、「化学が60点以上、または、物理が60点以上」という条件が成立する場合に「合格」、成立しない場合に「不合格」と表示しています。
条件の真偽に応じて結果を2通りに分ける
=IF(論理式, [真の場合], [偽の場合])
セルD3 | =IF(OR(B3>=60,C3>=60),"合格","不合格")

図3 セルD3に IF 関数と OR 関数の入れ子の数式を入力して、セルD7までコピーする。